Kindleで購入した大量の書籍を捌くことと、ファイナンスについての専門書を数多く読みたいという目的で、フォトリーディングのセミナーを受講しようと思い立った。フォトリーディングについては、勝間和代の著書などで紹介されて知っていたのだが、2日間で10万円の受講料と時間もお金もかかることなので長らく躊躇していた。
どうせなら同じ講師の方で予約しようと勝間さんのblogを検索すると、「園先生」が講師だったことが判明。フォトリーディングのwebで検索するが、見当たらない。その後、園善博先生は既に退職されてご自分でセミナーを立ち上げたことを知った。
園先生のwebにアクセスすると速習セミナーという読書+学習法のセミナーを1日完結で、5万円で開催されていることを知って、早速予約した。速習法ってフォトリーディングという商標を使えないだけで、実質同じだろうという感覚でいた。
予約からセミナー当日まで2ヶ月近く時間があったので、フォトリーディングの感想などを検索したのだが、結構ネガティブな意見も多く不安になってきた。実際に受講した人でも習熟できる人は少ないようだ。一方、園先生のセミナーについての感想はweb検索でヒットすることなかったので、先入観はあまり持たずに当日を迎える。
水道橋の研修会場に到して会場に入ると、園先生は黒いLet's Noteを凝視しながら待機されていた。時計も黒だったので、黒がお好きなのだろうと観察。受講人数はざっと見渡したところ50名くらいだっただろうか。
核心部分の読書法については、研修開始から5時間程経過した頃であったと思う。それまでは人間の認知能力がどれほどのものかを体験することが中心であった。私は事前に用意した野口悠紀夫著「金融危機の本質は何か」とドラッカーの「明日を支配するもの」の2冊を使って実習した。
フォトリーディングとか速読法によく見られる、パラパラと本をめくる姿。このセミナーではキーワードを検索するイメージでページをパラパラ眺める。キーワードの設定は目次から何をこの本もしくは目次から得るかという目的設定の過程で決める。それが終わると今度はまたもう一度本もしくは章の初めに戻ってキーワード周辺の文章を読む。これで本の内容が把握でき、忘れないというもの。
このパラパラ眺めてから普通に通読すると私の場合2割程度読む行数がスピードアップしたので、いつもと違う力が働いている印象を持った。速くなればよいというものでもなく、逆に遅くなる場合もあるそうだ。それは、理解に必要な前提知識(既有知識)を持っているかどうかに左右されるそうだ。
私がつかんだポイントは3点
①目次から内容を予想し、目的と報酬を定める
②キーワード検索をかけて全体を展望
③人に話すなどアウトプットすること
このセミナーで学んだ読書法はフォトリーディングとは違う。フォトリーディングの場合は潜在意識に頼る部分が多いらしく、挫折する人も多いので手続を明示しているのだそうだ。
また、フォトリーディングでは想起するのにマインドマップを使うそうなのだが、本をまとめるのには向いていない気がするとも仰っていた。確かに私も何かを発想するのにマインドマップを使うが、数時間かかることもあるので、本を読む度にマインドマップを描くのは非常に苦痛だと思っていた(ペンもたくさん用意しなければならないし)。
多分、このキーワード検索の精度は個々人の視野の広さが物を言う。私は自分でも自覚できる程視野が狭い人間なので、視野を広げるトレーニングが必要。そのためのドリルのPDFも入手した。これは時間を見つけてはやらなければ。
セミナーから数日、会社で回覧される東洋経済やらダイヤモンド、エコノミストの私の席での滞在時間が更に短くなった。もともと読むのが速いので、スピードはともかく、内容が頭に残るようだ。トピックから結論を予想して、何をこの文章から得るのか目標設定をするだけで随分違うと驚いている。また、Kindleで購入した英文書籍の書籍はさらに読みやすくなった。これは文字が横書きになっていることが大きいと思う。
ジムでのトレーニングにもひとつひとつの動作において、どの筋肉に刺激を与えるのかを目標設定しながら取り組んだところ、久しぶりにヘトヘトになった。読書や勉強だけでなく応用が利く。
つまるところ、小さなことにでも目的を持って取り組むことが大事なのだ。妻にもよく言われることなのだが、高額な授業料を払ってようやくその意味が理解できたといえよう。
Posted at 11:16 PM in Books, Education | Permalink | Comments (2) | TrackBack (0)
ファイナンス理論の基礎的な学習を始めようと考え何冊か書籍を購入したものの、内容はほとんど数学書に近いものであったため、まずは高校数学を理解しなければと芳沢光雄著 新体系・高校数学の教科書 上・下(ブルーバックス)に取り組んでいる。この本は週刊東洋経済で佐藤優氏が推薦していた図書であったので4月頃購入したままになっていたが(そのときはファイナンスを学ぶことは考えていなかった)、前提知識として必要性が出てきたため、ようやく着手することができた。読み始めて2ヶ月ほど経つのだが、ようやく下巻の積分の終盤まで進むことができた。微分積分をマスターすることが主目的だったので、ほぼその目的を達しつつある。極限の章で微分積分学で多用される自然対数eの証明が理解できず、随分足止めを喰ってしまった。
その自然対数の証明をマクローリン展開を使ってより分かりやすく説明しているのが、A.C.Chang著 現代経済学の数学基礎第4版(CAP出版)。何よりこの自然対数が複利計算に使われるという経済学との関わりが数学的厳密さと相まって説明されているのが素晴らしい。今年新たに版を重ねたが、下巻がまだ出版されていない。練習問題の回答と上巻の論点の積み残しがあるはずなので、早く入手できることを祈っている(Amazonを覗いたら今月発売されそう→早速購入)。ちなみに、この本の下巻の訳者である森平爽一郎教授は早稲田大学大学院ファイナンス研究科で教鞭を取られており、先日も大学院説明会の模擬授業(Asset Pricing)を受けた際、非常にエキサイティングな体験ができたのは偶然ではないと感じている。
ファイナンス理論は野口悠紀夫著の「金融危機の本質は何か ファイナンス理論からのアプローチ」、共著「現代ファイナンス理論」を読みたい。いずれにもファイナンス理論のブレイクスルーのきっかけとなったBlack-Sholes式が紹介されており、これを理解し使いこなせるようになるのが目標だ。
Posted at 10:15 PM in Books | Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)
iPhone 4を使い始めてから、本をスキャナでPDF化して、iBooksで読むというスタイルを取り入れるようになった。こうした読書スタイルを“自炊”と呼ぶことを最近知った。
とはいえ、この“自炊”行為には根気が強いられる。私はCanonのスキャナとAcrobat 9 Standardで読み込みと、その後の編集(余白のトリミングやOCR)を行なっているが、一冊あたり数時間を要するので相当な負担となる(一週間くらいかけてのんびり作業している)。したがって、繰り返し読む必要のあるもの、すなわち専門書とか教材系の本に限ってPDF化している。
また、本を見開いて読み取る方法を採っているため、左右のページで傾きが生じてしまったりとクオリティにもかなりバラツキがあるのが現状だ。
私の今のやり方で最大の欠点は一冊にかかる労力もさることながら、技術面ではiPhone4以外ではうまく表示されないことだ。試しにPDFファイルをKindle2に移してみたが、表示が薄過ぎて文字が判別できない。これはKindleの推奨サイズが522px × 600pxであることに関係がありそうだが、Acrobat Standardのpx単位でサイズ変換する方法が見つけられないため、現状ではお手上げ状態だ。やはりiPhone4で長時間読むには画面サイズもバッテリも不足するため、画面が大きく、バッテリの長時間駆動が可能なKindleをメインにするのは私の課題でもあった。
そうした諸問題が解決できる電子書籍化代行サービスが存在することを数日前に知った。先鞭を付けた業者として、BOOKSCANが有名だ。私は早速アカウントを開設。
本を裁断して読み込むため、見開きと違ってバラツキが出る可能性も低く、自分でスキャンする労力も省略できる。素晴らしいのは、iPad,iPhone,Kindleなどplatform毎にPDFを最適化するサービスがあることだ。これはまさに私が求めていたことだ。
もちろん、デメリットもある。その筆頭がregal riskだ。通常、複製は使用者自身が行なわなければならないと法律で定められているので、代行業者に委託した時点でNG。BOOKSCANは委託者が著作権者の同意を得ている前提で、受託するという論理でサービスを行なっているので、いわば、そのリスクを顧客に転嫁しているようにも見受けられる。これは依頼する側としても大変不安だ。サービスの存続という観点からも非常に重要なリスク要素だと思われる。
第2に、コスト面。BOOKSCANは一冊100円と謳っているが、この金額で依頼すると、今日時点で2011年2月11日に着手となる。いくら何でも時間がかかり過ぎだろう。ところが、50冊まで当日〜1週間程度で納品されるプレミアム会員サービスも用意されている。このコストが月額¥9,980と高額。恐らく利用するとしても、最初の1ヶ月でまとめて委託した後は、無料会員に戻るという行動が予想される。したがって、本を購入して随時PDF化するということはあまり現実的ではない。料金の平準化ができないのだろうか?
第3として、本は裁断されてしまうため手元に残らない。これは心情的に抵抗感があるのではないだろうか。特に高額な専門書を手放してしまうのには少なからず抵抗感がある。それに、図書館等で借りてきた本をPDF化することは叶わない。
こうしたデメリットを天秤にかけて、現在利用を検討中。
いずれ電子書籍コンテンツが遍く普及すれば、このような問題に直面せずに済むわけなので、今まさに電子書籍の黎明期にいるのだと痛感している。
Posted at 12:19 AM in Books | Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)
現在同時に読んでいる本が多く、なかなか書評が書けない。
そのうち書評を書きたいと考えている本がいくつか。
・ゲーテとの対話 エッカーマン著(岩波)
・和文英訳の修業 佐々木高政著(文建書房)
・The Next 100 Years:A Forecast for the 21st Century ,George Friedman(Kindle)
・Freefall:America,Free Markets, and the Sinking of the world economy,J.E.Stiglitz(Kindle)
・The Snowball:Warren Buffet and the Business of Life,Alice Schroeder (Kindle)
・Management,Peter Drucker(Kindle)
この中でThe Next 100 Yearsを読み終えているので、何点か整理して文章に起こしたい。ゲーテとの対話については、これは傑作の予感大。
Posted at 10:53 PM in Books | Permalink | Comments (1) | TrackBack (0)
先日Kindleを地面に落として交換に余計な出費を強いられたことに懲り、Kindle専用のカバーを購入した。以前のAmazon純正のカバーは本体の四隅をゴムで留める非常に脆弱な仕組みのものだったので買う気が起きなかったが、やはり懸念したとおり本国では事故が多発。
それらを受け(たかどうか解らないが)、新たに本体の穴に連結するヒンジを装備したカバーが今年の2月に登場していたらしく、これは使用に耐えそうだと判断し購入に至った。
当初レビューでその高級感に定評のあったCole Haan製のレザーカバーを購入しようと思ったが、カバーを閉じた状態にしておくことができないこと、価格が送料込みで14,000円近くと高額なこともありその案は却下。
純正のカバーは送料含め5千円と比較的安価で手に入る。日本では購入ができない。4月18日オーダー後5月中旬到着予定ではあったが、26日に到着したので良かった。
早速試用した感想を。
装着するとかなりの厚みになってしまい、重い。最近電車で立ったまま片手で読んでいるのでこたえる。
表紙を開くとそのまま本体の背面まで折ることができるのは嬉しい。私はよく間違ってページ送りボタンを押してしまうので戻るボタンが押しやすいのはありがたいのだ。
レザーだが、質感は無機質。例えればVW Poloのダッシュボードの感触に似ている。合成皮革だろうか?これはこれで悪くない。
ゴムのストラップが非常に優れている。不意に開いて画面に衝撃が加わる心配はない。ただし、使用しているうちに弱るのもこの部分だろう。
総括すると、購入して安心感を得た。交換時にオーダーしておけばよかったと反省。
Posted at 12:21 AM in Books | Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)
Kindle 2が我が家に届いたのは注文から僅か3日後の19日(火)だった。それから一週間使い倒してみた。まず、第一の目的(新聞の代替)のため、Financial Times(US版)とThe Mainichi Daily Newsを購読(2週間は無料)。いずれもSection List画面でビジネスや政治などカテゴリは選べるのだが、各記事のHeadlineは一覧できないので読みたい記事に辿り着くためにはやはりページをめくる作業が必要になる。紙メディアの新聞もまぁ、同じ仕様か。
配信されるのはいずれの新聞も午後7時前後だ。Mainichi Dailyはその日の朝配達された、いわば鮮度の落ちた情報なので、有料購読はありえないだろう。$27はちょっと高めだが、FTがメインの新聞となりそう。
期待してなかった割にもの凄く使える機能がText-to-Speech機能。まず、抑揚を含めとても自然に聞こえる。スピードも調節可能。Defaultでも日本人には速く聞こえるだろう。ページの終わりに到達すると自動でページ送りしてくれるのも便利。あまりにも出来が良いのでAudioBook業界がこの機能にクレームをいれたせいで、著作権者によって利用制限が可能となってしまった。新聞や雑誌はOKだが、小説関係は駄目そう。
使えると思い、改めて便利と感じたのは辞書機能(英英Oxford-American)。単語の前にジョグキーでカーソルを合わせると最下段に意味が一部表示。全表示するには辞書アプリを⏎キーで起動。
その他便利なのはクリップボード機能。その単語もしくは文節を範囲指定で記録することができる。記録した日時が表示されるのも良い。
日時と言えば、しばらく米国東部時間が表示されており、日本時間にどう合わせるのか苦心したが、結局方法がわからず放っておいたところ、いつの間にか日本時間に変わっていた。
私が初めて購入した本はDan BrownのThe Lost Symbol。400ページ程になるこの本も1分もかからずダウンロードできた。実に素晴らしい。
私にkindleを教えてくれた英国人はProject Gutenbergというサイトから無料で本をダウンロードしているらしい(著作権の失効したような古い本がメインのようだ)。もっとも、この方法は一度PC/Macにデータを落としたあと、Kindle用にファイル変換する必要があるので、面倒なことに加え、Kindleのビジネスモデルとしての素晴らしさをスポイルしてしまうので、私はまだ利用していない。
バッテリの持続時間については、3G回線を付けっぱなしにしていることが多かったにもかかわらず、一週間は持つということが分かった(その実証のため記事を起こすのに一週間かかった)。劣化したバッテリの交換手段をどう確保するかが課題。
ということで、kindleにどっぷり浸かった生活を送っている。
Posted at 11:46 PM in Books, Electronics | Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)
“There is no such a thing as free lunch”
この言葉こそ本書の神髄だと私は読んだ。日本人に欠けていると言われる金融リテラシーの入門書を紹介する。私自身には資産を利殖する余力等全く無い程スカンピンだが、先日読んだ”ビジネス頭を作る7つのフレームワーク力”に
①住宅ローンを抱えない
②大型の生命保険に加入しない
③車を持たない
ことがお金を貯めるコツだと言う趣旨の文章を見つけ、月換算で自動車に7万円超の固定費を投じてしまっている私としては、大いに危機感を持って読み始めた。 著者が主張するのは保有資産を定期預金に寝かせておくのはそれ自体が(機会損失が生じているという点で)リスクであり、それよりはcommissionを払って数%程度の収益を得る方が社会的道義に適うと説く。感心したのは、保有資産の50%を超える貯蓄率に対して国債利回りより低い金利(risk free rate)で資金調達をしておきながら、金融機関のパフォーマンスは低いと看破している点だ。 確かに銀行などは周知のとおり、税金が投入されていながら(多くは回収されたそうだが)、他業種に比し旧態依然とした感があるし、郵便局などは明らかに無駄な第3セクターに資金を投じたわけである。著者の主張の範疇かはともかく、公的年金がどれほど無駄な、センスの欠けたことに使われてきたかは既に国民の知るところである。バブル期のような高金利時代はともかく、こうした預金に寝かせるというほぼ惰性に近い投資行為は、上記の社会閉塞を招くというのは理にかなっていると私は思う。 投資という行為が社会的責任を負う(Social Responsibility Investment)という著者のスタンスは、先日視聴したTBSの番組”情熱大陸“のinterviewで著者が何故投資をするのかという問いに“せめて経済成長(率)に見合うリターンを求める”正当な手段という趣旨の発言を聞いたときと一貫している。 さて、冒頭にあげた3つのhookのうち、住宅ローンも生命保険も立派な金融商品である。当たり前だが本書を開くまでその認識が全く無かった。したがって、不動産にしてもリターンが見込めるならば投資する価値はあるわけだ。不動産投資というと他人に貸すことを想像しがちであるが、自分で済むことも投資行為なのだ(!)ただし、住宅ローンは金融機関が対個人での取引のうち最も旨味のある商品なので、逆にこれを出し抜いてリターンを得るのは難しいと著者は言う。特にマンションなどは広告費や人件費が販売価格に織り込まれているので、特に不動産の価格が上昇しない昨今にあっては多くが投資に見合わないとする(つまり売却損を抱える)。 それ以上に感情的な要因が大きい気がする。一つは、著者がいうとおり”所有欲“に起因する意思決定。他人に家賃を支払うくらいならローンで自分の手元に残したいという意思決定がそうではないか。私自身は
①釧路沖地震経験者ゆえ、地震による倒壊を極度に恐れる(現在も東南海沖地震が将来起こりうる名古屋に住んでいる)
②将来親族の所有不動産の相続が期待され得ること
③定住を好まない性格(転勤族の家庭環境であったため)
④不動産を所有しないことに妻の同意を得ていること(これが一番大きい)
という諸事情のため、不動産取得による住宅ローン投資というのは考えられないが、実際投資的意思決定を経るケースは少ないのではないだろうか。 生命保険について著者は定期逓減保険を勧めている。それは貯蓄型の生命保険などは貯蓄部分と保険料部分が複雑曖昧であるからだそうだ。私自身生命保険に加入していないので意見すべきではないかもしれないが新入社員だった頃、会社には生命保険会社の営業が待ち構えていて訳もわからないまま加入するという雰囲気であった。そんなスタイルなので断って今に至っている。また、一人前の人間なら生命保険くらいは加入すべきと近しい人にもアドバイスを頂くくらいなので、なるほど不動産と同じくリテラシーのないまま投資すると痛い目に遭いそうだ。この2つの投資に付いては余計な感情論や慣習/文化が意思決定に入り込む分著者がいうとおり”金融と言う観点からは“良い投資対象とは言えないだろう。私が心酔する自動車に至ってはリターンすら得られない、それも人生で一番大きい類いの”消費“であるためますます手に負えないのである。 ところで、冒頭①〜③の実践により捻出した資金を”貯めろ“とは著者は要っていない。ここからが本書の実践編なのだが、それを消費や家計に回さず例えば手始めにノーロードのインデックス型投資信託に積立投資しながら資金形成できたら株式指数に連動する国内外のETF、FXなどに“分散して(asset allocationを設定したうえで)”投資しろと勧める。“ボーナスが出たらアクティブ型投資信託”というのはボーナス時が必ずしも適切な投資タイミングではないとamazonのreviewで批判されていたところであるが。とにかく“管理できるのはリスク、リターンは管理できない”という言葉が頻出する。金融商品の選別よりよりも分散化に力点を置いているようだ。ところで、年5%の投資運用率が継続すると仮定した場合、複利計算上原資が2倍を超えるのは15年しかかからない。順調に資産を利殖し自信過剰になったところでトンデモ理論に騙されたりもするらしい。皮肉でもあり実に奥が深い。 今後企業年金は401K化し加入者ごとに投資先の選定を委ねることになると著者は予言するが、そのときに必要なリテラシーを備えるためにも本書を切り口に研鑽を積まなくてはと危機感を募らせている。 一方で、私はMicrosoft Moneyやspb financeなどのsoftwareを利用して支出管理しバランスシートを正確に作成するだけでいい気になっていたが、それは他の多くの人たちと同様、消費することに慣れているだけで、“金融的な観点から”はパフォーマンスには全く貢献していない恥ずべき状態にある。ただ、本書と出会う前に冒頭での別著のquotation以外に週間ダイヤモンドの山崎元氏(楽天証券)が連載でETFに触れていたことを強く記憶に留めておいたり、資産運用を始めるにあたり証券口座を開設してみたりとアンテナを広げていたので、それはそれで私のserendipityと慰める次第である。
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凄いスピードで本を出す勝間和代さん。早速私も購入。従来よりも装丁に力が入っている。本書のテーマはFramework。私がMBAで学びたい理由の一つだ。著者はそれを7つに落とし込んでいるのだが、私が注目したのは特に日頃から自分に足りないなと思うlogical thinking(論理思考),Lateral thinking(水平思考),Numerical thinking(数字力)の箇所。論理思考では物事をMutually Exclusive Collectively Exhaustive(MECE)に分類する癖を付けろという。そういうえば大学時代マーケティングの授業で2x2のハコを作って分類すると二者択一より奥行きが生まれたっけ。そんなことを思いながら読み進めると、MECEから漏れる物事が新たなframeworkを生むとも。数字力については物事を大局的に見るよりは分解/細分化するのに役立つのだという。水平思考は前提を疑い、組み合わせを変えるSCAMPER(Substitute,Combine,Adapt,Modify,Put,Eliminate,Reorder)をいう。いずれにせよ、こういう力を磨くにはとにかく量をこなしていくと、ある時点にそれが質に転化するそう。勉強していても確かにそういうポイントがあるように思える。この本に勇気づけられたのは、とにかく失敗しても良いから即座に決断することだそうだ。何も考えずに動いたり、致命的な事態に陥らない限りはそれが成功に近づく近道という。なるほど。今までの著作と同様、末項に本やツールの紹介を惜しまないところは著者の良心であることに疑いを持たない。ところで本書の中で触れられていたが、お金を貯めるコツは①住宅ローンを組まない②車を持たない③大型の生命保険を組まない、ということだそうだ。②についてはすでにかなりの額を投じてしまっている私・・・このことは著者の出世作“お金は銀行に預けるな”に詳述してあるようなので読んでみようと思う。
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